到達率のいいメール配信の秘訣は去るものは追わず?
前置き
前回まで3記事ほど Gmailの一括送信ガイドライン に沿って迷惑メールに誤認識されず高い到達率を実現するためのメールの要件について書いてきました。
今回は登録解除についてです。
ある意味、読者登録よりも大事かもしれません。 なぜなら、送信しているメールが読者にとって不要になればすぐに読者が登録解除できることで不必要な迷惑メール報告がなくなる可能性が高いからです。
というのも僕自身色々なメルマガ等に登録をするのですが、そのメルマガが不要になり登録解除したいのに「どこで登録解除できるのか」が明確になっておらず、不本意ながら迷惑メールの報告をすることがあります。
そのような経験みなさんはありませんか?
読者の迷惑メール報告はGmailの迷惑メールフィルタ的には影響が大きいので気をつけたいですね。
恐ろしや。
ということで、「読者に対しては親切な登録解除を提供してGmailでの迷惑メールに誤認識率を下げて到達率を上げましょう」という話です。
それでは具体的にどのような登録解除がいいのでしょうか。
登録解除
これもGmailの一括送信ガイドラインと特定電子メールの送信等に関するガイドラインを見ることで読み解くことができます。
結論から言えば「読者がメールもういらんわ って思ったら 秒で解除できるようにして」 ってことになるのですが、具体的に「秒で解除できるようにする」 ってどういうことなのでしょうか。
一括送信ガイドライン - Gmail ヘルプで紹介している Unsubscribing (登録解除) です。
基本項目
ユーザーが次のいずれかの方法でメーリング リストから登録解除できるようにする必要があります。
1. メール本文内の目立つリンクでユーザーを配信停止の確認ページに誘導する(確認以外の入力は求めない)
これは読者がメール本文の読者解除をクリックしてwebページに転送され、ワンクリックで読者解除できるようにしてねってことですね。
ここで気をつけたいのが「目立つリンク」「確認以外の入力は求めない」です。
上の画像の配信解除のリンクは目立つリンクとは言えないですよね。
しかし、配信解除のリンクを本文の先頭に見出しのようにしてデカデカと掲載するわけにもいかず、「目立つ」っていう線引は難しいですね。(でも、主観ですが半数ぐらいのメルマガには配信解除リンクすら記載されていない場合があります。)
また、リンクを掲載して配信解除のwebページへ転送されても下記のようにログインが必要な状態になっていては読者にとって不親切ですね。
そもそも、もう興味のないサービスのwebページのログインIDとパスワードなんて誰が覚えてるんだよ。迷惑メールボタンポチッ! ってなっちゃいます。
下記の画像のメールのようにログインなしに1クリックで読者解除できるのが読者にとって親切ですよね。
1クリック解除をメールに記載しておくと、誤操作でメールを読者解除してしまうのではないか?という考えが脳裏をよぎりますが、「メール本文を読んでクリックまでする読者」は誤操作で読者解除してしまっても再度、読者登録してくれるに違いありません。
なぜなら、数多あるメールの中からそのメールを最後まで(多くの場合読者解除リンクはメールの最後に記載してある)読んでくれた読者なのだから。
2. メールへの返信で登録解除をリクエストする。
これは、空メールを送ることによって読者解除が完了するような仕組みを導入シてくださいということです。
しかし、大抵の場合、メールの返信先はメールの送信者になります。読者解除をメールの送信者にリクエストするのは筋は通ってますが... いちいち読者から解除リクエストが来て読者リストからリクエストが来た読者を検索して、読者解除... これは骨が折れる。
ということで、システムの出番ですね。 Gmail もこの「List-Unsubscribe ヘッダー」を推奨しています。
推奨項目
Gmail ではユーザーが自動的にメールの配信を停止できるので、次のことを強くおすすめします。
1. メールアドレスや URL を示す「List-Unsubscribe」ヘッダーを提供して、ユーザーが今後の配信を簡単に停止できるようにする(注: 登録解除の代替としてこの方法を使用することはできません)。
また、Gmailが勧めていることとして List-Unsubscribeヘッダー があります。
これを導入することによって例えばGmailではメール画面から直接メール購読の解除が可能になります。しかし、このヘッダーを導入すれば必ず登録解除ボタンが出てくるわけでもないようです。僕が受信しているメールの中に List-Unsubscribeヘッダー を導入しているメールが何通かありましたが、どれも登録解除ボタンは出てきませんでした。
Gmail、メルマガ購読中止の自動化機能を追加 -INTERNET Watch
上記のページにもありますように「確実に信頼できる送信者」でないと購読解除ボタンが有効になりません。そのためか導入率が低いのが現状です。
しかも、これを導入して「読者解除の方法提供してますよ」ってのはやめてねってGmailが言ってるのもなんだかw
迷惑メールとして報告されないために
メールが迷惑メールとして報告されないようにするために、次のこともおすすめします。
1. 送信したメールが何通も返送される場合、そのアドレスのユーザーに対する配信を自動的に停止する。
これはエラーメール処理のことですね。メール配信の基本です。
宛先不明などでメールが返ってきた場合は適切に処理をしないと配信先のメールサーバーに接続拒否などされ、その配信先メールサーバーの他のユーザーに対するメールも送信できなくなります。
例えば、Gmail のエラーメール(宛先不明の Gmail アドレス) を放置して何回も送信していると Gmail から接続拒否され Gmail の他の読者にメールが送信できなくなる。 なんて事になってしまいます。
2. 確認メールをユーザーに定期的に送信する。
読者に対して定期的に購読解除リンクのついているメールを送ることでこれは自然と実現できることになりますね。その際、エラーメールの処理等はお忘れなく。
3. ユーザーが登録している各メーリング リストを含め、関心がなくなったメーリング リストの配信を停止できるようにする。
これも今までの購読解除等を導入することで実現できますね。
転送メール対策
ユーザーが他のアカウントからメールを転送する可能性があるので、次のことをおすすめします。
1. リストに登録しているメールアドレスを明示的に示す。
Gmailを迷惑メールフィルタとして使って携帯メールなどに転送をかけている人も多いのでは無いでしょうか。
そういった人のためにもこのメールはどのメールアドレスに対して送信されているのかを明示したほうがいいですよね。
2. URL によるメーリング リストの配信停止をサポートする(これは、メーリング リストの管理者が、配信を停止するユーザーを「返信先:」アドレスに基づいて判別できない場合に有効です)。
メールを転送している場合、その転送された宛先で空メールを送ることによる読者解除解除を提供していたとしてもそのメールは登録されていないために適切に読者解除できない、場合があります。そのためにもURLによる読者解除が必要になります。
また、空メールによる読者解除も読者ごとの宛先にすることにより、転送メールにも対応することができますね。
Unsubscribing (登録解除) のまとめ
「読者がメールもういらんわ って思ったら 秒で解除できるようにして」に対する答えは 1クリック読者解除が最適解?(List-Unsubscribe で解除ボタンが提供されれば最強) です。
今回はメール配信をする側にとってはちょっと辛い「読者解除」についてでした。
しかし、「去るものは追わず」ということわざがあるように、読者解除を望む人を無理に読者リストに残していても何のメリットもありません。
質の高いコンテンツを提供していくことで、去った人たちもまた戻ってくるでしょう。
そのときのためにも、「読者解除」を適切にすることにより不必要な迷惑メールの報告等が減りお行儀のよいメール配信をしていくことが大事ですね。
おまけ
現在メルマガなどメール配信を行っている方で到達率に不満のある方、料金に不満のある方は一度 ABCメールをご検討ください。
まずは無料で試用から。
この記事はこの記事は ABCメール開発者 山本 が書きました。
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